SUZUKI HAYABUSA 1300
時速300km/h、公道での使い方
(1)の続き
初乗りは、世界有数の高速サーキットとして知られる富士スピードウェイ。その1.5 kmのメインストレートで、ハヤブサは驚異の高速クルージング性能を見せてくれた。富士のメインストレート中間地点を過ぎて、スピードメーターは290km/hオーバー…ここから300km/h弱でリミッターが効き、それでもエンジンはまだまだ回ろうとする。その非常識なスピードの世界観が、信じられないほど平和だ。
折りたたんだヒジとヘルメットの上面にはものすごい空気のカタマリが流れているんだけれど、車体はペタリと路面に貼りつくように安定して、どこへ飛んでいくかわからないような不安はまるでない。どこまでもスロットルを開け続けていけるような、そんな超安心感ーあぁ、ハヤブサってこうだった、と先代のキャラキターをハッキリ思い出すことができた瞬間だった。
もちろん、公道で300km/hなんてナンセンス。けれど、250km/hオーバーでビクともしない車体、余裕あるパワーは、アウトバーンで200km/hで飛ばしたって、まして日本の高速道路で制限速度+αで走ったって、まったくなんの破綻もない、ということ。これが、ハヤブサが世界中で高い評価を受ける真実だ。公道で300km/hは使えなくても、公道で使うスピード域で、すばらしく安心感がある、と言っていいと思う。
サーキットを走ったときのハンドリングでは、さすがにGSX-Rのようにシャープなフットワークこそ見せないものの、たっぷりとした安定性の上に、ライダーのコントロールに沿った軽快感があった。思うより先に行き過ぎないで、遅れることなく思ったとおりに動くハヤブサ。これをワインディングに持ち込むと、時に軽すぎて鋭すぎて不安なGSX-Rよりも、僕は安心して走れた。このハヤブサを重いととるか、安心要素のひとつととるか、僕は後者の方だった。
進化やフルモデルチェンジというより、10年分のアップグレードという表現がピッタリくるNEWハヤブサ。ひょっとして、その変わらなさが物足りなく感じられてしまうかも…という心配は無用だった。発売1ヶ月、日本でももっとも売れたリッターバイクは、ハヤブサだったのだ。(撮影/赤松 孝 文/中村浩史)
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著作:MotorMagazine.ltd

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