バイクインプレッション

アディバ AD250 (2)

AD250 (2)

完成度アップ! 完全都市型コミューター

(1)の続き

 ちなみに屋根つきのデメリットとして考えられるハンドリングの影響だが、屋根という重量物が車体の上方にあることで、安定性が損なわれることは事実。四輪と違ってトレッド(=クルマで言う左右方向の距離)が存在しないオートバイでは、重量物の高さが左右への安定性を妨げるが、ADIVAはフロア剛性を上げているため、その影響はかなり低い。普通に走っているスピードレンジでは、ほとんど気にならないレベルだった。空気抵抗も大きいが、これも安定性と同じく、通常のスピードレンジでは影響はほとんど気にならない。左右を密閉されている構造ではないため、横風にも特段のデメリットはなさそうだったし、屋根による重量増も、むしろ安定性に働かせているのがよくわかる。

 メリットは、なんと言っても雨でほぼ濡れることなく移動できるのと、冬でも寒さがほぼ気にならないこと。風の巻き込みで、後頭部と背中に寒さを感じるが、屋根なし状態とでは雲泥の差。もう、冬の時期に屋根を畳もうなんて考えられないほど快適だ。試乗車にはオプションのハンドウォーマーが装備されていて、薄手のグローブでさえOK。今回は、雨の日も乗ったけれど、まさに天国! 信号待ちで並んだまわりのスクーターの羨望の視線が痛いほどだった。

 国産250ccクラスと比較して、高速道路での安定感は、確かに遅れを取っていると思う。けれど「シティコミューター」と限定すれば、屋根つきは大きな魅力。都市部限定、たまの郊外でOKというレベルなら、やはり屋根つきは、理想の都市型コミューターだろう。

 08モデルのAD250は、排ガス規制パスのためにインジェクションを装備したピアジオ製エンジンを搭載してリニューアル。インジェクション搭載だけではないエンジン設計変更がかなりの成果を挙げ、旧モデルよりかなり動力性能が向上している。  またひとつ理想に近づいたADIVAは、スリーホイールのピアジオMP3とともに、全世界で熱い視線を浴びている。(撮影/盛長幸夫 文/中村浩史)


AD250 (2)
ゆがみが少なく視界を妨げないウィンドシールドには、右ハンドルスイッチで操作する、3段階動作のワイパーを標準装備。ヘッドライト間のリッドはマグネット式。

AD250 (2)
ホイールはこのクラスとしては標準の前後14インチ。ブレーキは前後連動式で、キャリパーはブレンボ製。握りこむほどに効くブレンボタッチだった。

AD250 (2)
ADIVAの開閉式ルーフは04年に国際特許を与えられた、ADIVA独自のメカニズム。ヨーロッパではベネリブランドとしても発売され、イタリアやフランスの特に都市部のコミューターとして、数多く姿を見ることができるものだ。そのルーフは下写真のように前部ロックを外し、折りたたんでテールボックスに収納するタイプで、収納の方向さえ覚えれば、ものの1分もかからずに左のルーフなしスタイルに早変わり。

AD250 (2)
ルーフは樹脂の組み合わせ部品だからか、段差やつぎはぎの多い路面を走るとガタつきが気になるが、通常の走行ではきしみやガタは皆無だった。重心が高くなる分、フロア剛性を上げた車体設計となっていて、高速巡航もラクにこなすのが印象的。強風とガタつきには弱いが、それ以上のルーフつきの魅力でカバーしている印象だ。

AD250 (2)

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