ツーリング

BIKER'S HEAVEN, AUSTRIA! タイトル
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バイクはリッターバイクがほとんどで、中型クラスはまず見かけない

グロッシュクロックナー入口で出会ったオランダからの2人連れ。バイクはリッターバイクがほとんどで、中型クラスはまず見かけない

 

澄み切った空気の中を走る道は、緑の山肌のなかへと消えていく。あいにく、天気は時々雨が降ったりやんだりという望ましいものではないが、高めのシールドとABSを装備するKTM 990 ADVENTUREはじつに快適だ。小雨などものともせず、ほとんど濡れることもなくきつい勾配を駆け上がってくれる。
 センターラインのない、山へと向かう道を飛ばしていたらやがてツーリンググループの一団に追いついた。ほどなくして到着した料金所に並んだときに、そのうちの2人にヘタな英語で話しかけてみた。どこから来て、どこへ行くんだい?
 初老の紳士に若者と思われるその2人は、オランダから来て、これからイタリアへと向かうのだと言う。そう、オーストリーを走る国道のなかでも最高地点であるグロシュクロックナー峠を越え、しばらく走ればやがてイタリアに入る。
 当然のことだが、陸続きに各国のつながるヨーロッパをリアルに感じてしまった。

 

峠へと至る道は、最初は幅の広いワインディングだが、やがて日本の3ケタ国道のように細く曲がりくねった道へと変わっていく。
 元気よく走り去っていったオランダ人の2人のあとを追うようにワインディングを走っていくと、浅くかかっていた靄がどんどんと濃くなり、ついには真っ白な世界になってしまった。視界は5mもない。センターラインと、おぼろげに見える前走車のテールライトだけを頼りにまさに五里霧中状態のなかを進む。深い霧に包まれているのではっきりとは見えないのだが、左右には雪の壁がそそりたっているようだ。黒部ダムのような感じか。
 季節は6月。山の下では暑いくらいの陽気だったが、標高約2000mの峠に近づくにつれ、濡れていることもあって寒さを感じるほどにまでなってきた。これじゃあ景色もまるで見えない。残念だけど、引き返そうか。そう思いながらも諦めきれずに僕は走り続けた。

ヒトラーが第二次世界大戦末期に財産を沈めたという噂の残るアルトアウセル湖。

ヒトラーが第二次世界大戦末期に財産を沈めたという噂の残るアルトアウセル湖。澄み切った湖面に岩山の山肌が映りこんで最高に美しい

写真・文◎三上勝久
FREERIDE Magazine編集長。1965年生まれの42歳。豊富なBAJA1000三戦歴をもつレース好きだが、じつは旅も大好きなバイク乗り

Article Written by FREERIDE Magazine

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