ETCさえ付いていれば、土日なら日本全国どこまででも数千円で行けるようになった。ところが、付いていれば、の話。付いていないバイクで高速を走ると元通り……どころか、かえってソンしているような気がしてしまう。そこで、高速を使わずに長野まで行くツーリングに行ってみた。高速で一気飛びしない、古典的なツーリングはしかし、ETCのことなんて忘れさせてくれる素晴らしさに満ちていた。
関東のライダーにとって、信州ツーリングというのは古典的と言えるほど定番のツーリングルートだ。旧くは片岡義男の「彼のオートバイ、彼女の島」。トラブルに巻き込まれていた主人公が走るのは信州だし、ツーリング雑誌が夏場の特集に選ぶのもやはり信州だった。
で、昔はワインディング目当てにロードスポーツ……それも、バリバリのレプリカで走っていたのだが、今回のバイクはオフロード・ツアラーであるBMW F800GS。ならばダートを走らないわけにはいかないよなあ、と地図を念入りにチェックして林道とワインディングを通って信州へと至るルートを探してみた。
残念ながら林道は、実際に行ってみないと通過できるかどうかはわからないのでとりあえず出発。ETCがないのがシャクだけど、練馬から関越道に乗って東松山ICを目指した。
東松山ICからは、都幾川村を抜けて秩父を目指す。まず最初の林道は御岳山林道だ。都幾川村付近にも多くの林道があることは知っているが、今回の目的はあくまで信州。ここで時間を消費してしまうと武州ツーリングになってしまう(笑)。
秩父へと向かう県道172号線は白石峠付近でかなり狭いワインディングになる。ちょっと前まではダートだったんだろう道の両側には色鮮やかな新緑の木々が覆い被さっていて気持ちがいい。休日なのに交通量も少ない。トレーニングに来たのだろう自転車乗りのほうが多いほどだ。
秩父に出ると、石灰岩採掘のために削られたのだろう武甲山の威容が目に飛び込んでくる。道をそれればすぐのところに、バイクで町おこしを始めた小鹿野があるが、今回の目的地はあくまで林道と信州。脇目もふらず走るのだ。
写真・文◎三上勝久
FREERIDE Magazine & +MILEAGE
三上勝久◎ライディング・ライフスタイル・マガジン、FREERIDE Magazine、ウエブマガジン「プラスマイレッジ」編集長。オンロード、オフロード、スクーター関わらず二輪はすべて大好きな43歳







